病気について


狭心症になって、それもどうやら普通の【一過性の症状】ではなく、
もともと僕の心臓の血管が他人の倍の太さがあり、
年に一度は結石が溜まり石が落ちる体質で、
どうも噂に聞く狭心症とは【性質の悪さのレベル】が数段高いらしく、
しかし心臓そのもののパワーは人一倍ある為に、
「ちょっと無理をすると途端に体がしんどくなる」のである。

最初のカテーテル手術を受けた時は、狭心症であることを他人に敢えて言う必要も無いと考えていたが、
スーパーのレジなどで順番を待っていると、いきなり血液の循環に支障をきたし立ち眩みがしたりして、
「こりゃ、黙っていてもなんの徳も無い」と判断。

それ以来、病気であることを隠すことはしなくなった。


他人に「自分の心臓は悪い」と伝えるのは、最初はかなり躊躇した。
どういっていいか分からないし、説明のしようがないのだ。
しかし「ごめん。心臓が悪いので」と素直に言えば多くの人はすぐに理解してくれるのを知り、今ではよどみなく体が悪いことを他人に伝えている。


肉体的デメリットは本人が隠してしまうと他人には分からない場合が多い。
僕の場合、心臓が確かに悪いが【弱い】のではない。
寧ろ【強い】から問題がややこしくなっている訳で、
これは僕が黙っていたら誰も理解してくれないし、見た目が健康そうに見えるので【余分な誤解】を必ず招く。

丁寧に説明しても誤解する奴は黙っていたらもっと誤解していた訳で、
そういうのをまともに相手をしていても無意味なので、
「ああこの人は障碍に理解が無い」と判断した時点で、その人を人間と思わないことにしている。
相手が心のある人間と思うから非常識な態度をされると腹が立つけど、
相手が人間ではない【人間に似た生物】と思えば怒る意味も失うので、その方が気が楽だ。


そういえば以前腹を立てた、というか、呆れたのは、
心臓の件を伝えた相手に「あなた以上に大変な人もいる」と真顔で説教されたこと。
障碍に対して比較論で考えられる脳味噌そのものが狂っているとしか思えないけど、
本人は「あなた以上に大変な人がいるんだから、威張られても困る」と普通に考えちゃうんだろうな…。

今までの経験上、障碍に対して屁理屈で言い返してくる奴は、後になって自分の中の整合性を取れなくなって、勝手に自爆していくパターンがやたら多い。

差別の何が怖いって、今まで無意識でやっていた差別をある時それが差別と気がつき、
その時に素直に自分の間違いを認められればいいんだけど、
そでも色々な言い訳を作って「自分は差別していた訳ではない」と言い張ることで、
心が良心の呵責に耐え切れなくなって、いずれは平常心を失っていくところ。



病気であったり、身体的障碍は隠す必要はひとつもない。
自分のデメリットを認めることで、
そのデメリットはデメリットで無くなる。
場合によってはメリットにもなる。

デメリットを晒すのはかなりの勇気が必要だが、
ほんの少しの勇気でデメリットはメリットに変身したりする。

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