残像


ケント紙に描いたものを、何度か水洗いして濃い目の色は落とした。
しかしB4の1枚20円の「あくまで文具品の延長線上にある紙」では、耐久度には限界があり、思うように仕上がらなかった。

試行錯誤の時代である。
自分の中で「何を描くべきか」が定まっていない頃で、
得意なパターンをすべて放棄し、それまで使っていなかったテクニックをいろいろと投入していた。

当時はとても苦しんだ記憶があるが、
今(2018年1月)振り返れば、最も絵に打ち込んだ【楽しい時代】である。


デジタルで【光の粒】を足したもの。
流石にこういう技法は手描きではできない。

増駄堂はデジタルに言い知れぬ疑問はあるが、絶対的に否定はしない。
デジタルが表現の可能性を∞に切り開いたのは確かなる事実なのである。

問題は「デジタルに頼ることで、創作が安易にならないか」ということ。
商業的に【量産】を求められている人たちであれば、
作業効率が何よりも優先されて不思議ではないが、
パーソナルな立場で、アートという観点で絵を描く場合、
「あとで修正すりゃいいや」という考えに依存するのはとても危険である。

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