創作過程
素人の意見は怖い。
余分な知識がない分、ストレートに【思い】をぶつけてくる。
絵は描き手の本質の具象化であり、作者の本心や本音が間違いなく形として現れる。
以前、【有名な絵描きの息子】という人の動物のイラストを見たけど、
どの作品の目も、悲しそうであり、寂しそうであり、不安そうだった。
確かに器用であり、テクニシャンであるようで、
ああいう作品を量産できるのであれば、それは商売として【成立】していても「おかしくない」、と思った。
しかし今思い出そうとしても、彼の絵をまったく思い出せないのである。
自信のなさそうな、ファザーコンプレックスに溢れたその目の印象だけが、
【情報】として脳にインプットされているだけで、作品そのものが【無】なのである。
作品の本当の評価とは、一体なんなんだろう?
世界一のヘタウマである、写楽と名乗った彼の作品が、
いまだ人々の心を掴むのはなんなんだろう?
絵描きにとっての本当の幸せは、見た人がしっかり記憶に留めてくれる事なのかもしれない。
そういう意味においても、素人の意見は怖い。
容赦がないのだ。
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