埋もれた記憶


平成元年に公開された筈の作品のシナリオ。
タイトルは(仮)なのでネットで調べてもヒットしないと思う。

だいの大人が大騒ぎして撮影した作品も、今となってはフィルムすら現存しているか分からなくなっている。
今も昔も、否、きっと未来永劫、【映画】という表現芸術が続く限り、ひと握りの名作を生むには星の数だけの駄作が必要になるであろう。
しかしこういう名も知れぬ作品たちに関わったスタッフやキャストが、
その後、大きな仕事をし、
映画界全体の一部として活躍しいている訳で、
やはり【生き残る人材】は「どんな小さな仕事」も疎かにしない。

優秀なスタッフは、その時の、その条件において、ベストを尽くす。
時間がなければないなりの工夫をするし、
予算が足りなければ頭を使う。
持てるネットワークを利用する。


台本の裏に大きく電話番号を書いているんだけど、
これは携帯電話がなかった時代、連絡は公衆電話を利用するとか、
撮影の段取りでパニクっているので、これだけの短い数字すら記憶できなかったりしたからだ。

台本の表裏にイラストを描いたのは【遊び】心からではなく、
どこに置き忘れても「すぐに自分の台本と分かる」ようにしただけのこと。

しかしこういう悪戯書きが、たまに監督に気に入られてイラスト関連の雑用仕事を貰ったりしていた。
多くの人は「そっちの道に進め」とアドバイスしてくれたけど、
あの当時は【絵で食べていく】という選択肢は考えてもいなかった。

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