鳥人


「描いていた時の記憶がない」
だから、
「どうやって描いた?」と聞かれても、困ってしまう。

絵を描く為に費やした時間は膨大である。
しかし描いていた時の記憶がない。

いつも「行き当たりばったり」でペンや筆を動かすので、
同じものを同じように複製することは困難である。

目の前の作品を仕上げるに精一杯で、余分なことを考える暇も余地もない。
いつも思うのは自分の知識見識技術の未熟さで、
描いているうちにどんどん落ち込んでいく。

「ああ…下手だ…」
思うのはそんなことばかり。


だから絵を描くのは苦痛である。
苦痛なんだけど、なんやかんやいいつつ、五十路半ばまで描き続けている。
なんなんだろう?


絵を描くのは嫌いである。
面倒臭い。

好きで描いているのではない。
なんだかよく分からないけど、不定期に「脳味噌に溜まったもの」を吐き出したくなるのだ。



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